Vol.1 『IELTSに初めて申し込む人が知るべきこと』

IELTS講師の小玉です。このコラムではIELTS受験者のための情報をお伝えしていきます。私自身もIELTSの授業を担当しつつ、毎年4回程度は本試験を受けています。その中でお役に立てると思ったことをお伝えします。


IELTSを初めて受ける方は戸惑うことが多いです。それだけ独特なテストだと言えます。「こんなはずじゃなかった」とならないように、申し込みから結果が出るまでについて、知っておくべきことを書いていきます。少し長いですが、IELTS受験の為です、粘り強くお読みください。

 

「結果が出てから次を」は危険

「試しに受けてみて結果が出てから次を考えよう」というのはある意味当然です。決して安くない受験料ですから、いきなり複数回を申し込むのには躊躇してしまいます。しかし、長期的な計画をしっかり立てておかないと、後で困ったことになります。

IELTSは申し込んでから結果が出るまでが非常に長いです。2ヶ月半程度は見ておく必要があります。ということは、2回目の結果が出るのは、なんと5ヶ月も先です。スコアの締め切りまで余裕があるから大丈夫と思っていても、あっという間に時間が経って焦ることになります。

もう少し詳しく書いていきます。IELTSの申し込み締め切りは試験の5週間前。これはTOEICや英検に慣れている人は当たり前に思えるでしょう。しかし、TOEFLのように1週間前でも空きがあれば申し込めると思っていると大変です。また、東京会場は申込者が多いためか、試験の2ヶ月前には締め切りとなることがほとんど。もちろんこれは日本開催に限ったことで、イギリスや台湾では試験の数日前まで受け付けています。

試験結果が出るのは世界共通で試験の2週間後です。ですから先に書いたとおり、申し込んでから結果が出るまで2ヶ月半かかるわけです。スコアの提出期限が迫っている。だけど東京の試験に申し込めない。困った人は、地方の会場が空いていれば申し込むでしょう。本当に切羽詰ったら、台湾まで受けに行く覚悟を決めるかもしれません。そうならないように計画を立てましょう。

2017年4月25日追記
現在はJSAFが3日前まで申し込みを受け付けています。また、10日前までに申し込めばスピーキングの試験日程の希望を出すことも可能です。詳しくは第5回コラムをご覧ください。

 

2ヶ月前から2日間の予定を空ける

先に書いたとおり試験2ヶ月前には申し込みをしておく必要があります。当然、試験日の予定を空けておかなければなりません。しかし、ここで厄介なのが、試験時間が分からないということです。簡単に言うと、英検の2次試験と同じ状況です。日本開催においては同じ団体が運営しているわけですから、仕方ありません。

日本では今年から木曜開催がなくなったので、1-dayなら土曜日、2-dayなら土日に試験が行われます。リスニング、リーディング、ライティングの3セクションは土曜日午前中に終わります。12時半には試験会場を出られると思ってください。こちらは見通しが立てやすいです。

問題はスピーキングの試験時間です。1-dayなら土曜日午後、2-dayなら日曜日の約40分拘束されるだけなのですが、その時間帯が知らされるのは試験の2週間前です。オンラインで受験票を見て初めて、会場と時間が知らされます。

つまり、2ヶ月も前から土曜日一日中(1-day)、もしくは土曜日午前中と日曜日一日中(2-day)を空けておく必要があります。

そこでこんな風に考える人もいるでしょう。「最悪スピーキングは時間が合わなくて無理でも、3セクションの結果だけ出ればいいや。」残念ながら4セクション全てを受けないと、スコアは一切受け取れません。キャンセル扱いになります。

ちなみに、申し込み後に予定が合わなくなった場合は、日程変更やキャンセルもできますが、それも試験日の5週間前までしか受け付けてくれません。しかもキャンセルは手数料を取られます。日程変更は1度に限り無料です。

 

リスコア(再採点)に期待するのは時間の無駄

結果が出て手応えと違う場合、リスコアをしてみようと思うかもしれません。特にライティングやスピーキングは評価が主観的になりやすいですから、もしかして上がるかもと期待する気持ちは分かります。しかし、それはいい考えではありません。

理由は簡単。結果が出るまで時間が掛かりすぎます。8~10週間と言われます。クリスマスなど休暇期間をまたぐ場合はさらに遅れる可能性もあるとのこと。これだけの期間を「上がるといいな」だけで過ごすよりは、次の受験計画を立てて勉強を続けましょう。

リスコアを求める場合は英検協会に電話で問い合わせます。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングとセクションごとに希望を出せます。値段はセクション数にかかわらず一律です。スコアが変われば、たとえ下がっても返金されます。

リスコアを完全に否定するつもりはないです。しかし、結果が変わらない、もしくは下がる可能性も考えて、準備をしておきましょう。

2015年2月19日
IELTS講師 小玉

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